ドゥカティのスーパースポーツバイク「パニガーレ V4R」と「パニガーレ V4S」は、どちらも圧倒的なパフォーマンスを誇るモデルですが、それぞれのスペックや特性には明確な違いがあります。
そのため、どちらを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
パニガーレV4Rはスーパーバイク世界選手権(WSBK)に対応するためのホモロゲーションモデルであり、998ccのエンジンを搭載し、高回転域で最大限の馬力を発揮します。
一方、パニガーレ V4Sは公道向けに最適化されており、1,103ccの大排気量エンジンによる豊かなトルクが魅力です。
この違いが走行性能や扱いやすさにどのような影響を与えるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
また、燃費や最高速といった実用面の違いも重要なポイントです。
V4Rはレース志向のセッティングのため燃費が悪く、航続距離が短くなりがちですが、V4Sは比較的長距離のツーリングにも適しています。
さらに、2025年モデルの最新情報や、中古市場での価格動向も、購入を検討するうえで確認しておきたいポイントです。
本記事では、パニガーレ V4RとV4Sの違いを詳しく解説し、それぞれの特徴や適した用途についてご紹介します。
スペックや馬力、トルクの比較はもちろん、公道での扱いやすさや中古市場の相場についても解説しているので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
2.公道走行の可否や法規制の違い
3.燃費や航続距離の違いと実用性の比較
4.中古市場の価格やリセールバリューの傾向
パニガーレ【V4RとV4S】の違い|性能と特徴を比較
↑イメージ画像です:ラグジュアリーバイクワールド作成
・V4とV2の違い|エンジンやフレームの違い
・パニガーレ V4Rの馬力は?V4Sとの出力差
・V4Rのトルクは?低速域の違い
・V4Rの最高速はどれくらい?
V4RとV4Sのスペック比較
パニガーレV4RとV4Sは、ドゥカティが誇るスーパースポーツバイクですが、両者のスペックには明確な違いがあります。
それぞれのバイクの特性を知ることで、どのモデルが自分に合っているかを判断しやすくなります。
まず、エンジンのスペックに注目すると、パニガーレV4Rは998cc、V4Sは1,103ccの排気量を持っています。
V4Rはスーパーバイク世界選手権(WSBK)のレギュレーションに準拠するため、排気量が制限されている一方、V4Sは公道向けのモデルとして排気量が大きく、低回転域からのトルクに優れています。
そのため、街乗りやツーリング用途であればV4Sのほうが扱いやすいと言えるでしょう。
また、最高出力はV4Rが218PS(15,500rpm)、V4Sが216PS(13,500rpm)と、V4Rのほうがわずかに高出力となっています。
さらに、V4Rは専用のレーシングエキゾーストと特別なオイルを使用することで最大240PSに達することが可能です。
これは、レース仕様の特性を最大限に活かした設計によるものであり、サーキット走行を前提としたチューニングが施されています。
シャシー面では、V4Rはレース向けの剛性バランスが追求されたアルミニウム製のモノコックフレームを採用し、軽量化とハンドリング性能の向上が図られています。
乾燥重量はV4Rが167kg、V4Sが174kgとなっており、V4Rのほうがより軽量です。
これは、高速域での旋回性能を向上させるための重要なポイントとなります。
サスペンションの違いも見逃せません。V4Sには電子制御式のオーリンズ製NPX25/30フロントフォークとTTX36リアショックが搭載されており、ライディングモードに応じたセッティングが可能です。
一方、V4Rではフルアジャスタブルのマニュアル調整式サスペンションが採用されており、細かいセッティングを自身で調整することでレース環境に最適化することができます。
ブレーキシステムについても両者には違いがあり、V4Rはブレンボ製の最上級キャリパー「Stylema R」を装備し、強力な制動力を発揮します。
V4Sもブレンボ製ブレーキを採用していますが、V4Rほどの高剛性・高耐久性は求められていません。
総合的に見ると、V4Sは公道走行を意識したバランスの取れた仕様であり、街乗りやツーリングを快適にこなせる一方、V4Rはサーキット向けの尖った性能を持つモデルです。
購入を検討する際には、用途や走行シーンに合わせて選ぶことが重要になります。
V4とV2の違い|エンジンやフレームの違い
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パニガーレV4とV2は、ドゥカティのスーパースポーツモデルとして高い人気を誇りますが、エンジンやフレーム構造に大きな違いがあります。
それぞれの特徴を理解することで、自分のライディングスタイルに合ったバイクを選ぶことができます。
まず、エンジンの違いを見ていきましょう。パニガーレV4は1,103ccのV型4気筒エンジンを搭載し、最高出力は216PS(13,500rpm)、最大トルクは120.9Nm(11,250rpm)を発揮します。
一方、パニガーレV2は955ccのL型2気筒エンジンを採用しており、最高出力は155PS(10,750rpm)、最大トルクは104Nm(9,000rpm)となっています。
この数値からも分かるように、V4はV2に比べて出力と回転数が高く、高速域での加速性能に優れています。
特に、サーキットでの走行を想定した場合、V4の高回転型エンジンのほうがアドバンテージを発揮しやすいでしょう。
一方で、V2は低速域からのトルクが太く、公道走行での扱いやすさが魅力です。
次に、フレームの違いについてですが、パニガーレV4は最新の「フロントフレーム」構造を採用し、剛性バランスを最適化しています。
これにより、高速コーナリング時の安定性が向上し、ライダーがより精密なコントロールを行えるようになっています。
一方、パニガーレV2はアルミモノコックフレームを採用しており、軽量化を重視しながらも十分な剛性を確保しています。
重量面では、V2が約200kg、V4が191kg(V4Sは187kg)と、排気量の大きいV4の方が軽量化に成功している点も注目です。
特に、サーキット走行を視野に入れた場合、車体の軽さは大きなアドバンテージとなります。
また、電子制御システムにも違いがあり、V4にはドゥカティの最新技術が詰め込まれた高度なトラクションコントロールやウィリーコントロールが搭載されています。
一方、V2にもライディングモードやコーナリングABSは備わっていますが、電子制御の精度や選択肢の幅はV4ほどではありません。
総合すると、パニガーレV4はサーキット向けのハイパフォーマンスモデル、V2は公道向けの扱いやすいモデルと言えます。
どちらを選ぶかは、用途やライディングスタイルに応じて判断するのが良いでしょう。
パニガーレV4Rの馬力は?V4Sとの出力差
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パニガーレV4RとV4Sは、どちらも高性能なスーパースポーツバイクですが、エンジンの出力には明確な違いがあります。
V4Rはレースを想定した特別な仕様となっており、最大出力の点でV4Sを上回る性能を持っています。
具体的には、パニガーレV4Rの最高出力は218PS(15,500rpm)ですが、専用のレーシングエキゾーストと特別なオイルを使用することで、最大240.5PSまでパワーアップが可能です。
一方、V4Sは最高出力216PS(13,500rpm)と、V4Rに比べてわずかに低くなっています。
この出力差の要因として、V4Rのエンジンは998ccのショートストローク仕様であり、高回転域でのパフォーマンスに特化していることが挙げられます。
一方、V4Sは1,103ccのエンジンを搭載しており、排気量の大きさを活かして低中回転域のトルクを重視した特性となっています。
そのため、V4Rはサーキット向けのバイクとして極限まで性能を追求しているのに対し、V4Sは公道走行も視野に入れたバランス型のセッティングとなっています。
どちらのモデルが適しているかは、使用するシーンやライダーのスキルによって変わるでしょう。
V4Rのトルクは?低速域の違い
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パニガーレV4Rのトルクは、最高111.3Nm(12,000rpm)とされています。
この数値自体は非常に高いものですが、V4Sと比較すると明らかに異なる特性を持っています。
最大の違いは、低速域のトルクの出方です。パニガーレV4Sは1,103ccの排気量を持つため、低回転域でも十分なトルクを発揮し、街乗りやツーリングでも扱いやすい特性を持っています。
具体的には、比較的低回転からでも力強く加速し、ギアチェンジの頻度を抑えながらスムーズな走行が可能です。
一方、パニガーレV4Rは998ccのショートストロークエンジンを搭載しており、明らかに高回転型の特性を持っています。
最大トルクが発生する回転数が12,000rpmと高いため、低回転域ではパワーが薄く、「スカスカ」と表現されることもあります。
そのため、街乗りでは頻繁なシフト操作が必要になり、低速での扱いやすさという点ではV4Sに劣る部分があります。
これは、V4Rがスーパーバイク世界選手権(WSBK)のレギュレーションに基づき開発された、レース仕様のエンジンであることが影響しています。
レースでは高回転を維持しながら走行するため、低回転域のトルク特性よりも、高回転域での爆発的な加速性能が重視されているのです。
この特性により、V4Rは公道では扱いづらいと感じるライダーも少なくありません。
特に、渋滞や市街地走行では頻繁なギアチェンジが求められ、スムーズな走行が難しくなる可能性があります。
しかし、サーキットでしっかりとエンジンを回して乗れば、その本来のパフォーマンスを最大限に発揮することができます。
つまり、V4Rのトルク特性は高回転域に最適化されており、低速域の扱いやすさはV4Sの方が優れています。
そのため、街乗り中心であればV4Sが適しており、サーキット走行をメインに考えるのであればV4Rの真価を発揮できるでしょう。
V4Rの最高速はどれくらい?
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パニガーレV4Rの最高速は、おおよそ320~330km/hと推定されています。
ただし、これは理論値であり、実際の環境や条件によって変動する可能性があります。
パニガーレV4Rは、998ccの高回転型エンジンを搭載し、最高出力218PS(15,500rpm)を発揮します。
さらに、専用のレーシングエキゾーストと特別なオイルを使用すると、最大240.5PSまで向上するため、より高い最高速を記録することが可能です。
この圧倒的なパワーにより、トップスピードでも安定した走行が可能となっています。
また、V4Rの最高速を支えているのはエンジン性能だけではありません。
空力性能に優れたカーボンファイバー製ウイングレットや、スリムなカウル形状が高速域での安定性を向上させています。
これにより、高速走行時のダウンフォースが適切に働き、車体がブレにくくなっているのです。
ギア比の面でも、V4Rは高速域に適した設定になっています。6速時にはエンジンの最高回転数が16,500rpmまで設定されており、理論上の最高速は330km/hを超えることも可能です。
ただし、公道でこの速度を出すことは不可能であり、サーキットやクローズドコースでのみ試せる領域です。
一方で、V4Sの最高速は約300km/hとされています。
V4Sは1,103ccのエンジンを搭載しており、最高出力は216PS(13,500rpm)とV4Rと比較するとわずかに低いですが、公道走行を前提にした仕様となっています。
そのため、トップスピードよりも低中速域の扱いやすさが重視されており、V4Rほど極端な高回転域での性能は求められていません。
V4Rの最高速を実際に試す場合、サーキット環境が必須です。
特に、直線が長いコースでなければ、このバイクのポテンシャルを最大限に引き出すことは難しいでしょう。
また、タイヤの摩耗やエンジンの負担も考慮し、適切なメンテナンスを行うことが重要です。
総合すると、パニガーレV4Rの最高速は一般的なスポーツバイクを大きく上回る水準にありますが、そのパフォーマンスを活かせる環境が限られている点には注意が必要です。
公道での実用性よりも、レースシーンでの最速を求めるライダー向けのバイクと言えるでしょう。
パニガーレ【V4RとV4S】の違い|公道走行・燃費・中古市場
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・V4Rの燃費は?V4Sとの比較
・パニガーレV4Sの航続距離は?タンク容量と燃費性能
・V4Sの年式ごとの変更点は?
・V4Sの中古市場|価格とリセールバリュー
・パニガーレV4R 2025年モデルの最新情報
V4Rは公道走行できる?法規制の違い
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パニガーレV4Rは基本的に公道走行が可能なモデルですが、標準仕様のままでは実用的ではなく、法規制に関するいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
まず、パニガーレV4Rはスーパーバイク世界選手権(WSBK)のホモロゲーションモデルとして開発されているため、レースに特化した仕様になっています。
998ccのショートストロークエンジンを搭載し、高回転域で最大限のパワーを発揮する設計になっているため、低速トルクが細く、公道での扱いやすさには欠ける部分があります。
また、公道走行に関する法規制の観点からもいくつか注意が必要です。
日本国内では、排ガスや騒音規制(ユーロ5基準)に適合した状態で販売されていますが、純正の状態でもエキゾーストノートが大きいため、地域によっては騒音規制の対象となることがあります。
さらに、V4Rにレーシングエキゾーストを装着した場合、排ガスおよび騒音の基準を超えてしまうため、公道では使用できません。
このため、純正マフラーのまま走るか、車検適合のアフターマーケットパーツを選ぶ必要があります。
もう一つの大きなポイントは、V4Rが装備するピットレーン・スピードリミッターです。
これはサーキットで使用することを前提とした機能であり、公道走行ではほとんど使う機会がありません。
このような装備が搭載されている点からも、V4Rは公道よりもサーキットでの使用を強く意識したモデルであることがわかります。
さらに、ポジションやシートの設計も公道向けではなく、長時間の走行ではライダーに負担がかかりやすい仕様となっています。
V4Sに比べて電子制御サスペンションが搭載されていないため、乗り心地の調整が手動で必要になりますし、路面のギャップをダイレクトに感じやすいです。
結論として、パニガーレV4Rは公道走行が可能なモデルではあるものの、実際に公道を快適に走ることを考えると、いくつかの問題点があります。
特に、低速トルクの細さ、硬めの足回り、騒音規制などの面でV4Sの方が適していると言えるでしょう。
もしV4Rを公道で使用する場合は、法規制を遵守するための装備の確認や、快適性を向上させるための調整が必要になります。
V4Rの燃費は?V4Sとの比較
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パニガーレV4Rの燃費は、一般的なスポーツバイクと比較してもかなり低い部類に入ります。
おおよその実測値として、8~12km/L程度とされていますが、これは走行環境やライディングスタイルによって大きく変動します。
特に、サーキット走行などでエンジンを高回転で使用すると、5km/Lを下回るケースも珍しくありません。
この燃費の悪さは、V4Rのエンジン特性によるものです。
998ccのショートストロークエンジンは、高回転域でのパワーを最大化するために設計されており、低回転域では効率的に燃料を使う仕様にはなっていません。
つまり、街乗りでエンジン回転数を抑えて走行する場合でも、燃料消費が多くなる傾向にあります。
一方で、パニガーレV4Sの燃費は12~15km/L程度とされており、V4Rよりもやや良好な数値を示します。
これは、V4Sが1,103ccのエンジンを搭載し、低速トルクに優れた特性を持つためです。
低回転域でもパワーを確保しやすく、必要以上にエンジンを回さなくてもスムーズな走行が可能になっています。
また、両モデルの燃料タンク容量は17Lで共通しているため、航続距離に関してもV4Sの方が長くなる傾向にあります。
V4Rの場合、満タン時の航続距離は約130~200km程度とされており、燃費が悪化するとさらに短くなります。
対してV4Sは約200~250km程度の航続距離を確保できます。
総じて、V4Rはサーキット向けの高性能エンジンを持つため、燃費よりもパフォーマンスを重視した設計になっています。
日常的な公道走行を考えると、V4Sの方が燃費面では優れた選択肢となるでしょう。
ただし、どちらのモデルにしても、一般的なバイクと比べると燃費は悪いため、頻繁な給油が必要になることを考慮しておくべきです。
パニガーレV4Sの航続距離は?タンク容量と燃費性能
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パニガーレV4Sの航続距離は、タンク容量17Lと燃費性能を考慮すると、おおよそ200~250km程度と見積もられます。
ただし、この数値は走行環境によって大きく異なり、高速道路を巡航した場合はもう少し伸びる可能性がありますが、市街地走行やワインディング、サーキット走行をすれば大きく低下します。
V4Sの燃費は、一般的な使用環境では12~15km/Lほどとされています。
この数値は、スーパースポーツバイクとしては標準的ですが、大型バイクの中では決して燃費が良いわけではありません。
特に、頻繁な加減速を伴う市街地走行では燃費が悪化し、10km/L以下になることもあります。
一方で、高速道路で一定速度を維持すれば15~17km/Lまで向上するケースもあります。
タンク容量については、V4SとV4Rはどちらも17Lで共通しています。
しかし、エンジンの特性上、V4Sの方が燃費が良いため、同じ条件で走行した場合、V4Sの方が航続距離が長くなります。
V4Rは998ccのショートストロークエンジンで高回転を維持しなければならず、燃料消費が激しいため、航続距離は130~200km程度にとどまることが多いです。
また、V4Sはクルーズコントロールを装備することができるため、長距離ツーリングで一定速度を維持することで燃費を向上させやすい点もメリットです。
ただし、V4Sはスーパースポーツモデルであるため、ツーリングバイクのような長距離向けの設計ではなく、快適性の面では専用のツアラーほど優れていません。
結論として、パニガーレV4Sの航続距離は最大250km程度と予想されるものの、実際の使用環境によって大きく変動します。
特に、高回転を多用する走行をすると燃料消費が激しくなり、頻繁な給油が必要になります。
そのため、長距離ツーリングを考えている場合は、あらかじめ給油ポイントを確認しておくことが重要です。
V4Sの年式ごとの変更点は?
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パニガーレV4Sは、2018年の初登場以来、毎年のようにアップデートが施されてきました。
特に、エンジン性能や電子制御の進化、足回りの改良が主なポイントとして挙げられます。
ここでは、年式ごとの主な変更点について詳しく解説します。
2018年モデル(初代)
パニガーレV4Sは、ドゥカティのスーパーバイクシリーズとして初めてV型4気筒エンジンを搭載したモデルです。
1,103ccの「デスモセディチ・ストラダーレ」エンジンを採用し、214PS(157.5kW)/13,000rpmを発揮。フレームには「フロントフレーム」構造を採用し、剛性バランスの向上が図られました。
また、オーリンズ製の電子制御サスペンション(Smart EC 2.0)が搭載され、従来のL型2気筒エンジンを搭載していたパニガーレとは大きく異なるキャラクターを持つモデルとして登場しました。
2020年モデル
2020年には、電子制御システムの進化が主な変更点となりました。
ドゥカティ・トラクションコントロール(DTC)EVO 2が搭載され、より細かいトラクション制御が可能になったほか、エンジンブレーキコントロール(EBC)も進化。
さらに、空力性能を向上させるため、MotoGPマシンからフィードバックされたウイングレットが採用されました。
これにより、高速走行時の安定性が向上し、サーキット走行時のパフォーマンスが大きく向上しています。
2022年モデル
2022年には、エアロダイナミクスのさらなる改良と、エンジンの出力特性の最適化が行われました。
ウイングレットのデザインが変更され、よりコンパクトながらも十分なダウンフォースを発生させる形状へと進化。
さらに、ギア比が見直され、1速から3速の加速性能が向上しました。
また、新たなクイックシフター(DQS)を搭載し、よりスムーズなギアチェンジが可能になっています。
2023年モデル
2023年モデルでは、フロントフォークの改良が行われ、より俊敏なハンドリング性能を実現。
加えて、ライディングモードの調整幅が増え、より細かいセッティングが可能になりました。電子制御システムもアップグレードされ、Ducati Vehicle Observer(DVO)システムが導入されたことで、リアルタイムで車体の挙動を解析し、より精密なライディングアシストが可能となりました。
2025年モデル(最新)
最新の2025年モデルでは、排ガス規制「EURO5+」に対応しながらも、最高出力216PS(158.9kW)/13,500rpmを維持。
フロントフレームとスイングアームが軽量化され、横剛性の最適化が施されています。
また、新たなブレーキキャリパー(ブレンボHypure)や、6.9インチの大型TFTメーターが採用され、視認性と操作性が向上。
さらに、クルーズコントロール機能の追加など、ツーリング性能も強化されています。
このように、パニガーレV4Sは年式ごとに細かなアップデートを重ね、より扱いやすく、かつパフォーマンスを向上させているのが特徴です。
特に、電子制御の進化やエアロダイナミクスの改良が年々進んでおり、最新モデルほど完成度が高まっていると言えるでしょう。
V4Sの中古市場|価格とリセールバリュー
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パニガーレV4Sは、ドゥカティのスーパースポーツバイクの中でも人気の高いモデルであり、中古市場においても高いリセールバリューを誇ります。
ここでは、中古市場での価格動向やリセールバリューについて詳しく解説します。
中古市場での価格帯
パニガーレV4Sの中古価格は、年式や走行距離、車両の状態によって大きく変動しますが、おおよその相場は以下の通りです。
- 2018〜2019年モデル:約200万〜250万円
- 2020〜2021年モデル:約250万〜300万円
- 2022〜2023年モデル:約300万〜350万円
- 2024年以降のモデル:新車価格に近い400万円以上
特に、新型に近い年式のモデルは、中古市場でも価格が落ちにくく、ほぼ新車に近い価格で取引されています。
リセールバリューが高い理由
パニガーレV4Sのリセールバリューが高い理由は、以下の3点にあります。
-
限定生産モデルではないが希少性が高い
V4Sは通常モデルのV4と比較して流通量が少なく、中古市場での需要が高いため、価格が落ちにくい傾向があります。 -
ドゥカティブランドの価値
ドゥカティのバイクは、ブランド価値が高いため、モデルチェンジ後も価格が大きく下がることは少ないです。 -
サーキットユーザーの人気が根強い
V4Sはサーキット走行を前提とした電子制御サスペンションを搭載しており、高性能な装備を求めるライダーにとって魅力的なモデルとなっています。そのため、中古市場でも人気が高く、価格が維持されやすいのです。
中古で購入する際は、走行距離やメンテナンス履歴を確認し、サーキット走行歴の有無もチェックすると安心です。
パニガーレV4R 2025年モデルの最新情報
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2025年モデルのパニガーレV4Rは、最新のMotoGP技術を投入した高性能なスーパーバイクとして登場しました。
特に、エンジン性能の向上と電子制御システムの進化が注目されています。
エンジン性能
2025年モデルのV4Rは、998ccのデスモセディチ・ストラダーレRエンジンを搭載し、最大出力218PS/15,500rpmを発揮。
さらに、レーシングエキゾーストを装着することで、最大240PSまで出力が向上します。
従来モデルと比較して、ピストンの軽量化やバルブリフトの増加により、高回転域でのレスポンスが向上しています。
シャーシとエアロダイナミクス
新型V4Rでは、フロントフレームが軽量化され、横剛性を40%低下させることで、より俊敏なハンドリングを実現。
ウイングレットのデザインも見直され、空気抵抗を抑えながらダウンフォースを確保する構造になっています。
電子制御の強化
最新のDucati Vehicle Observer(DVO)システムを採用し、トラクションコントロールやウィリーコントロールの精度が向上。
また、クイックシフターの動作も最適化され、よりスムーズなギアチェンジが可能になりました。
このように、2025年モデルのV4Rは、サーキット走行に特化した仕様へとさらに進化しています。
公道走行は可能ですが、扱いやすさよりも純粋なパフォーマンスを追求したマシンであることを理解しておく必要があります。
パニガーレ【V4RとV4S】の違い|スペックと用途の比較の総括
- V4Rは998cc、V4Sは1,103ccのエンジンを搭載
- V4Rの最高出力は218PS、V4Sは216PSで僅差
- V4Rはレーシングエキゾースト装着で最大240PSまで向上可能
- V4Sは低回転域のトルクに優れ、公道走行向き
- V4Rは167kg、V4Sは174kgとV4Rの方が軽量
- V4Sには電子制御サスペンションを搭載し、快適性が高い
- V4Rのサスペンションはマニュアル調整式でサーキット向き
- V4Rはブレンボ製「Stylema R」キャリパーで制動力が強化
- V4Rの最高速は約320〜330km/h、V4Sは約300km/h
- V4Rの燃費は約8〜12km/L、V4Sは12〜15km/LとV4Sが優れる
- V4Rは法規制の影響で公道走行に適さない装備が多い
- V4Sは航続距離が200〜250kmとV4Rより長い
- V4Sは年式ごとに電子制御やエアロが進化
- V4Sの中古市場では価格が落ちにくくリセールバリューが高い
- V4R 2025年モデルは軽量化と電子制御の進化が特徴
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